個々に合わせたレッスンを。
まず、詳細なカウンセリングを行います。
どのような状況で、どのような行動が起き、どのような結果が起こっているのか、直前と直後の環境の変化を分析し、プランを立てていきます。
行動分析学は統計ではなく、個々のデータを見ています。1頭1頭丁寧に分析し、個々に合わせた方法をご提案していきます。
データを基にプランを立てても、実際は違う方法の方がこの子にはやりやすかった!これが得意だった!これが好きそうだ!など、進めていく中で色々見えていきます。その都度、プランは見直したり、新しい方法を組み込んだりしていきます。
カウンセリング時に目安の回数をお伝えします。
何年も通い続けなくても良いように、ゴールのあるトレーニングをしていきましょう!
しかし、早く改善するには練習が不可欠。練習量と成功率が改善の鍵!あまりにも練習環境が困難な場合、毎日公園に行く必要がある場合もあります。共に頑張って進めていきましょう!

罰を与えなくても行動は改善されるの?
まず、全ての個体において、罰を与えるトレーニングより、褒めるトレーニングを基盤にした方がより正確で、副作用がなく、より安定的に、進めることができます。
ここで言う罰とは、痛みを伴う罰や、大きな物音を立てる、ひっくり返して服従ポーズを取らせる、マズルを掴む、など、一時的・あるいは永続的に行動を減らす刺激を与えることです。
まず、罰を与えるトレーニングの副作用についてお伝えします。
・攻撃行動の増加
・他の問題行動の増加
・回避行動の増加
・すべての行動そのものが減少、新しい望ましい行動が起きにくなる
・学習性無力感という状態に陥る。何をやっても無駄だ、という状態。
・罰で統制した場合、罰をやめた時にその問題行動がより悪化する
・罰を与えられた時、周囲にあったもの全てが罰の不快と結びついてしまう(ピアノの先生に酷く怒られた!トラウマになってピアノ教室を見るだけで震えるようになる。など)
・ストレスが増加し、免疫システムの低下、健康上の悪影響
・チョークチェーンは眼圧上昇、頚椎ヘルニアの確率上昇、神経系の損傷の可能性、死亡例や骨折例多数あり(スリップリード、スパイクカラーも危険)
さて、あなたは「死ぬかもしれないとんでもなく副作用が強いけどとりあえず一時的に問題は起こらない古い薬」と、「新しく開発された副作用が少なく安全でより効果があり長期的に安定する薬」、どちらを使用しますか?
「危険な犬種だから、これぐらいしないとダメなんだ。人に危害を加えないように。」と、よく聞きますが、”罰を与えた方が問題行動の予防や行動改善に繋がる”という前提に誤りがあります。
昔のテレビでは罰を与えるトレーニングが流行りましたよね。犬のその後…というのはテレビでは放送されません。即時性があるので、すぐに行動が変わったように見えます。SNSでは反響がありそうですよね。
そして酷い状態にまでなると、”行動することが出来なくなっている無力な状態”を人間は”落ち着いた”と表現します。
果たしてその犬は幸せでしょうか。
では、褒めるポジティブなトレーニングを行うとどのようなメリットがあるでしょうか?
まず、行動そのものが増えていき、出来ることが増えていきます。できることが多いと、楽しいことも増え、生活の福祉レベルが上がりますよね。いつも褒めてくれる飼い主との関係性は良い方向に変わります。
更に犬は楽しんでトレーニングを行うことが出来るようになります。
イヤなことを避ける為に言うことを聞くより、自ら喜んで飼い主の言葉を聞いてくれる方が、飼い主としても嬉しいですよね。
そして、報酬(強化子)があらゆるものと結びついていき、日常が大好きなもので溢れていく。素敵ですよね。
好ましい行動が起こる頻度も高め、犬は新たな適切な行動を取るようになるでしょう。攻撃性を引き出すようなデメリットはありません。
そうして飼い主とコミュニケーションを取ることを楽しむようになり、好ましくない行動が改善されれば、楽しい犬との生活が待っています。
ただし、褒めるだけではなく具体的な行動変容プランが必須です。プランを誤ると褒めるトレーニングでも問題行動は改善されません。しっかりと行動分析学を学んでいる専門家が必要です。
最後に…いまだに支配性理論がネットでは語られていますが、これは間違った研究方法から犬は支配的な生き物だというレッテルを貼られてしまいました。
飼い主が犬を支配する必要は一切ありません。
'幸せで満たされた犬’が増えるよう、正しい知識を広める活動を続けていきます。